結と縁結びの神様

「意外と賢いのねあんた」

「これでも学校の成績は常に上位でしたから」

「……はあ」

観念したのか深々と溜め息をついた。

「分かったわよ。ちゃんと応えるわよ」

おねぇの人はすぐ近くにあった石の上に座ると胡座をかく。

口調はおねぇなのに中身は男なんだとそう思ってしまった。

「私はね、縁結びの神様よ」

その言葉に私の心臓が大きく跳ねる。

「縁結びの神様?」

「そうよ。たしか十年も前だったかしら?このくらいの小娘に、自分の正体あかしたら、上の方から大目玉をくらったのよ」

「怒られたんですか?」

「そうよ。人間の小娘なんかに自分の正体を言うやつがいるか!ってね」

じゃあやっぱりこの人……。

私がたまのお墓の前で泣いていた時、私を泣き止ませてくれた縁結びの神様だ。

あれは幻じゃなかったんだ。

「それで言ったわよ。あとは、何かあるかしら?」

「あっ、えっと……。ここはどこなんですか?」

「ここは結び世よ」

「結び世?神様が住む世界ですか?」

私の言葉に珠は頷く。

「正確に言えば縁結びの神様とかたちが住む世界ね」

「他にも世界があるんですか?」

「たくさんあるわよ。私たち神様が住む世界、妖が住む世界、怨霊が住む世界とかね」

お、怨霊って……。

「それにあんたの手の中にあるそれ、見てみなさい」

「手の中に?」

私は手の中にある赤い糸を見る。

そういえば、これを掴んだせいで私はここへ来てしまったんだ。

「私の推測だとあんたはその糸を掴んだせいでここへ迷い込んでしまった」

「じ、実はそうです。なんか白くてフワフワした狛犬はみたいなものが、鍵を使って空洞みたいなものを作るから興味本位で手を入れてしまって」

「はぁ……。ほんと人間って珍しいものに興味がわくわね」

何も言えず肩を落とす。

そもそも私があそこで帰っていれば、こんなことにはならなかったわけで。

「その糸はあんたと誰かを結ぶ糸よ」

「私と誰かを?」

すると手の中にある赤い糸は、するすると引っ張られる。

「ひ、引っ張られてる!」

「どうやら、近くにあんたと縁が結ばれてる奴が居るみたいね」