結と縁結びの神様

「あんたねぇ……」

私を助けてくれた人のこめかみがぴくぴく動いてる。

やばい……怒らせた!

そう思って目をつぶった時、私の頭の上に手が乗せられる。

「え?」

「あんた叫んだじゃないかい。誰かに助けてくれって」

「あっ……」

まさかあの上空で私の声が聞こえたの?!

「私はね、他の神様と違って耳は良い方なのよ」

なんか、すごくどやってる気がする。

「ん……?神様」

「あっ……しまった」

今この人、神様って言ったよね?

「えーっと、今のは忘れなさい」

「……嫌です」

「な、なんですって?!」

「私の質問に応えてくれたら今の言葉忘れますから」

「あ、あらそう?そんな簡単な事だったらいいわよ」

ふーん簡単な事なんだ。

じゃあ一つ目は――

「貴方は何の神様なんですか?」

「うっ、それ聞くのね」

「さっき言いましたよね?私の質問に応えてくれたらちゃんと忘れますから」

「わ、分かったわよ」

よし、引っかかった!

私は内心ガッツポーズを取る。

この人は気づいていないみたいだけど、私が忘れると言ったのはさっき言った“神様”の部分だけで、これから応えてもらう質問に対しては忘れるとは言っていない。

ちゃんと確かめさせてもらうんだから。

「それで何の神様なんですか?」

「とてもとてもめんどくさい神様よ。あれやこれやで、上から扱き使われて」

「神様も大変なんですね」

「そうよ。神様だって暇じゃないのよ」

「んで、何の神様なんですか?」

「……」

どうやら今の話で話題を逸らそうとしていたみたいだけど、そんな手には引っかからないよ。