結と縁結びの神様

「なんであの言葉を?」

私とあの幻のたまとは縁が結ばれている。

でも私はもう一度あの幻のたまに会うことはなく死んでしまう。

「でもっ!」

たとえ幻だったとしても、たとえたまじゃなくても!

「珠に会いたい!」

そう叫んだ時だった。

「誰に会いたいですって?」

「えっ?」

誰かが優しく私の体を抱きとめる。

その瞬間がとてもゆっくりに見えて、私の体を抱き留めてくれた人は地面に着地する。

「……」

突然の出来事で言葉が出てこない。

「あらあら、よく見たら人間の小娘じゃないの」

聞き覚えのあるおねぇ口調。

見覚えのある白くてモフモフした九本の尻尾。

着地した時に揺れる長い銀髪は陽の光に当てられて輝いており、頭のてっぺんには二本の耳が生えている。

その美しさに私はおもわず見惚れてしまった。

「ちょっと聞いてるの?!人間の小娘」

「へ?あ、はい!」

「まったく……何であんたみたいな人間が、ここへ入り込んだか分からないけど今すぐ帰りなさい」

「ちょ、ちょっと待ってください!」

「何よ、これから忙しいのよ」

忙しいならなんで私なんかを助けたのよ。

「別に助けて下さいとか言ってません!」

思わず言葉が漏れてしまい慌てて口元を抑える。