結と縁結びの神様

☆ ★ ☆

「どうすれば良いのよこれ……」

真っ暗な空間から抜けた次は、私の瞳に真っ青な空が飛び込んできた。

どうやら私の知っている空のようだ。

でも真っ暗な空間から真っ青な空へと変わったところで、現状は何も変わらない。

「ここは何処なのよ!」

私の手の中にある糸はまだ下へと伸びている。

「もう、こんな糸なんて!」

引きちぎってやろうかと思ったけど、この糸を切ったところで何も変わらない。

私は横目で下の様子を伺う。

「森?」

下には森が広がっていて所々に集落が見える。

「まさかこの森に私は落ちるの?」

そう考えるだけでゾッとした。

でも私の体は森に向かって落ちて行く。

「私……まだやりたいことたくさんあるのに……」

これから家に帰ってお父さんと一緒に夕飯の準備をしたり。

明日通う学校の準備をしたり。

もう一度たまのお墓参りに行ったり。

そして自分の夢を見つけて――

「やりたいことも出来ずにこのまま……」

徐々に森が近づいて来る。

ああ……私はきっとあの森で酷い死に方をして誰かに発見されるんだ。

ごめんなさい、お父さん、お母さん。

まだ二人に親孝行の一つもしてあげられていない。

私が死んだって知ったら二人は凄く悲しむだろうな……。

『あんたと私はもう一度会えるわよ』

そこで私は幼い頃にたまに言われた言葉を思い出す。