結と縁結びの神様

☆ ★ ☆

「ん?」

横になっていた体を起こし俺は耳をぴくぴくと動かす。

「今、誰かの声が聞こえたような?」

大きく欠伸をしながらもう一度耳をぴくぴくと耳を動かす。

すると微かだが女の声が耳に入った。

「あらあら、厄介な子が迷い込んで来たものね」

おねぇ口調で喋りながら畳の上に放り投げておいた着物を掴む。

「失礼致します」

「なぁに?」

外の方から神使の一人があたしに話しかける。

「これから縁結び会が始まります。至急お支度の方をお願い致します」

「あ〜……そんなものがあったわねぇ……」

めんどくさいと思いながら着物の帯を締める。

「んねぇ、それって参加しないと駄目なの?」

「それはそうですよ!縁結び会は月に一度行われる、縁結びの神様の方々が集まって話し合う大事な会議なんですから!」

「そうよねぇ」

頬に手を当てどうするか考える。

そして足音を立てないようにこっそりと障子に手をかけ開く。

「だいたいですね貴方様は自覚が足りません。縁結びの神様だというのにここでずっと一日中寝ていますし、仕事もしないで女妖と遊んでばかり……って聞いていますか珠様!」

神使が部屋の障子を開けた時には遅く、そこにはもうあたしの姿はなかった。

「た、珠様?!」

あたしの名前を呼ぶ声が聞こえたがそんな事は気にせず走り出す。

「そんなめんどくさいものに私が出たって何の得にもならないわよ」

その前にまずは厄介なものを処分しなくてはならない。

「あの子に見つかる前に処分しないとね」

あたしは声の聞こえた方へと向かって走り出した。