音を紡ぐ

私は目からこぼれ落ちそうになる涙を我慢して、斗季に笑いかけた。


「はい。隣にいます。」


私達はそのままずっと抱き合った。


時間も気にせず斗季がここにいることを感じていた。


曇り空だった空もいつの間にか晴れて太陽が顔を出した。


お母さんとも話しなきゃいけないな。


「あっ!お母さん!!」


あのまま逃げて来たから、ちゃんとした話してないや。


「ごめん。お母さんに電話してみるね。」


通話ボタンを押して耳にスマホをあてる。


「もしもし、お母さん?・・・・・さっきはごめんなさい。勝手に逃げだして。」


「いいのよ。有紗だって色々混乱していたと思うし。・・・・・・お母さんはただ少しでも長く生きてほしい。それだけよ。」