「買い物して帰るだろ?」 「………あ、うん、そうね。いつものスーパーに寄ってくれる?」 コバヤシさんのことを考えていた頭を、ショウタに切り替えた。 「そこの店じゃなくて?」 不思議そうなショウタの声に一瞬言葉に詰まる。 大型量販店がすぐ近くにあるから、そこに行くつもりだったのかもしれない。 「大して買うものもないから、早く帰りたいの」 「分かった」 何か買うつもりだったのかもしれないと思ったが、それは、言わなかった。 コバヤシさんがいるかもしれない。 その恐怖に勝てなかった。