温かい絆を教えて



昼頃、母とショウタが一緒に来たので、驚いた。

「お母さん、いつきたの?」

「昨日の10時頃よ。セオはさっさと帰ったけど、私は残業したわよ」

「ハハ、すみません」

ショウタが苦笑いで謝っていた。

「ミズトはどうなの?」

「だいぶ熱も下がったから、そろそろ起きるんじゃないかって。
薬が変わったからね」

「そう。そこの談話室でお昼を二人で食べてきたら?買ってきたから」

スーパーの袋を渡された。

「じゃ、そうしようかな?」

談話室では入院中の遊んでいる子供がいた。

なんとなく入りづらく小児科の病棟を出て廊下のベンチに座った。
食欲が無くサンドイッチを少し食べる。


「食べないのか?」

「お腹減らないわ。動いてないし」

「食べないと体力もたないよ?」

「お腹減ったらちゃんと食べるよ」

「でも確かにミズトが気になって落ち着かないな」

「そうなのよね」

「ちょっと散歩しないか?」

「散歩?」

「ま、病院内だけど」

「そうね」

エレベーターで1階に降りた。