「ただいま。ミズトは?」
病室で小声で声をかけると、ミズトの横で本を読んでいた叔母が振り向き私達をみてニッコリする。
「ショウタさん。こんばんは。
ミズトね、さっきちょっと起きたけど、また寝てしまったわ」
ミズトを見ると、まだ青い顔だが、スヤスヤと寝ていた。
「こんばんは。色々すみません」
「いえいえ。心配したでしょ?」
心配そうに叔母に謝ったショウタもミズトを覗きこむ。
「そう、また寝たのね。ちょっと熱は下がったのかしら?」
「さっき看護師さんが計って行ったけど、ちょっと落ち着いてきたかなって」
「そっか、良かった」
「ショウタさんは今日うちに泊まりなさい。
ちょっと二人でお茶でも飲んでおいで。
そのあと私は帰るから」
ショウタと顔を見合わせて
「じゃ、ちょっとだけ行ってくるわ。
よろしくね」
「すみません」
二人で病室を出た。


