キョロキョロしてると 「キリノ?」 と聞こえた方に顔を向けた。 「あ、コバヤシさん、すみませんでした」 「いや、叔母さんに連絡?」 「はい」 「あの、さ……ミズトくんの父親って?」 興味があるようで、でも聞きにくそうな顔で聞いてくるので、少し強く言った。 「連絡いれますよ」 「でも。今は結婚してないよな?」 「はい、まあ、いるので」 「そうか。時間あったらまた来るよ」 「ありがとうございました、助かりました」 イライラしたような言い方になった私を見て、コバヤシさんは帰って行った。