「じゃあ、すみません。
お先に失礼します」
「はーい、お大事にね」
内心よく思ってない人もいるかもしれないが、気にしない振りをして早退した。
「あ、こっち」
駐車場でコバヤシさんが待っていてくれた。
「すみません、お願いします」
車で世間話をしながら、送ってもらう。
「あ、ごめんなさい、ちょっと電話……」
「出ていいよ?」
携帯を見て叔母からの電話と確認して、耳に当てる。
「もしもし?」
『あ、マイカ?
あのね、隣の市の総合病院に行きなさいって。
保険証とかある?』
「え?今どこ?私、今帰ってるのよ。
先輩に車で送ってもらって」
『いつもの病院。
じゃあ、病院に来てもらえる?』
「分かったわ」
電話を切ってからコバヤシさんに、近所の小児科で下ろしてもらうようおねがいする。
「大丈夫だけどなんかあった?」


