温かい絆を教えて


裏へ回り、叔母に電話するとすぐに叔母が出た。

『え?ミズト熱なの?
迎えに行って病院行っておくよ。
帰れそうなら帰ってあげて?』

「よろしくお願いします」

折り返し保育園にも連絡をいれて、上司に聞いた。

「午後から帰らせてもらいたいのですが」

「あ、熱があるんだって?さっき聞いたよ。
帰ってあげたらいいよ、お大事にね」

「ありがとうございます」

デスクに戻り、回りの人に

「すみません、午後から帰らせてもらいます」

と言うと、ユカさんが

「うん、大丈夫。ゆっくりしてあげてよ」

「あ、キリノさん、帰るの?
俺、午後から代休だから車で送ってあげるよ」

先輩のコバヤシさんが言ってくれる。

「そうしてもらいなよ、急ぐんでしょ?」

ユカさんが後押しする。

「はい、でも……」

「帰り道だから大丈夫だよ、気にしないで乗って帰ったらいいよ」

二人に言われて、気が進まないけど断れなかった。