「……ショウタ、逃げてごめんね。

ずっと好きだったの。

妊娠したとき、産むしか思い付かなかった。
ミズトを産んでなかったらきっと、私は、ショウタを受け入れなかったと思う。

だから、信じてみるわ」


「それだけで、いいから」


この抱きしめられた安心感と幸福感は以前も感じてた。
それは、お互いが思いあってたからだ、と今はわかる。

優しく背中を撫でる手が、温かかった。