奏でるものは~第3部~



明るく言うと、ありがとう、と優さんと昌さんと龍くんが姉の墓に向かい、一人ずつゆっくりと手を合わせている。


「私は功さんを怒ってないわ。
姉は幸せだったんでしょ?

あとで話を聞かせてくれる?」


顔をあげた功さんの目が赤かった。功さんの腕を取り立ち上がらせると、姉の方に背中を押す。


功さんが、ゆっくりと前を向いて歩く。

優さんたちが戻ってくる。