ろうそくに火を灯し、線香につけた。 線香をたてて、膝をついて墓石を見上げる。 姉の指輪を供えた。 ―――お姉ちゃん、歌織だよ 手を合わせて俯き、心のなかで話しかける。 フワッと風か舞い、サイドの髪の毛が顔を覆う。 ―――誕生日だね。18年前、生まれたんだよ? 墓地に砂利を踏む誰かの足音が聞こえる。 しばらく、指輪のことを姉に尋ねるように、話しかけていた。 足音が後方で止まった。 ―――誰か来たみたいね。