「……別れる」
これが、ジグソーパズルのピースがピッタリ合うように、胸にしっくりくる。
「これからも会うこともあると思うし、優さんの友達もみんな会社関係で会うかもしれないけど、そこは割り切るほうが、自分らしく、生きていけそうな気がするわ」
―――お稽古も勉強も手につかず、体調すら悪くなるなら、恋愛なんて、いらない。
「優さんのこと嫌い?」
千奈美が優しく聞く。
「ううん、嫌いじゃない」
「許せない?」
美輝が聞いてきた。
「私がお稽古もできなくて、体調も悪いのが優さんのせいなら、今はいらない」
顔を見合わせた千奈美と美輝。
「そうね。前向きになれるのなら、どっちでもいい。
縁があればまた戻ることもあるかもしれないし、将来、社会人としての付き合いになるがもしれない。
それより、このあともっと素敵な出会いがあるかもしれないから。
まだまだこれからよ。」
にっこりして美輝が言った。


