奏でるものは~第3部~



「優さんと、別れたら、どうなるのかな?って考えるの。

もっと辛くなるのか、それとも
楽になるのか?って。

このまま付き合い続けても楽しいのかな?」


美輝がちょっと考えながら話始めた。

「楽しいとか、幸せかって聞かれたら、それは歌織の気持ちだから、わからないけどね。

まだ高校生で、ご両親も付き合ってるの知らないのでしょ?
じゃあ、別れても家は絡まないんじゃない?

でも、将来、どこかで会うこともあるだろうし。
時間が経てば、きっと思いも立場も考え方も変わるから、心配ないと思う。

このまま付き合っていくなら、何も考えないで、信じていくしかないんじゃない?

きっと、将来は女の人と仕事関係で会うこともあるし、割り切ることも大切だよ?

歌織だって、男の子と学校とか習い事で一緒になることもあるでしょ?

ま、手を繋いだり腕を組んだりはしないだろうけど」

「このまま付き合うのも、別れるのも大変そう。

でも、しょうがないよ。
実際にもう、何かあってもおかしくない現場に居合わせちゃったんでしよ。

言い訳聞いてあげれば?」

「アハハ…言い訳って。

歌織、話を聞いたら、信じる気持ちが戻るかもよ?」

「………なんだか。

話を聞いたら納得して、すぐに今までみたいに幸せ感じるとは思えない」

「「………」」