「で?どうしたの?」
美輝が言う。
学校で聞いた噂話と週末のことをすっかり話した。
「あぁ、如月ね~。
あの人、如月だったのね。
兄弟でイケメンでモテてるって話は聞いたことある。
私は家の会社のパーティーで見かけたこともあるわ。
前に会った時とは全然雰囲気違うから、似てるとは思ったけど、確信はなかったの。
喋ったことはないけど。
でも、同伴してる女の人とかは見たことないなぁ。
勿論、歌織の両親や総一さんや、頼斗さんも見たことあるわよ」
美輝の家も大きな会社で、家の会社を継ぐかも、と思っている美輝が、家族同伴の会社関係のパーティーに行っているのは知っていた。
そこに、如月家として優さんも行っていた、ということなのだろう。
「へぇ、さすが美輝、やりますねぇ。
歌織の彼氏も如月家って、また、すごいけど、どうするの?
正直、別れるにしてもきっと家同士の繋がりは絶対続くんでしょ?
まあ、このまま付き合い続けて、幸せならいいけど、歌織がダメになるなら、ダメ男と付き合ってるようなものだよ?
如月っていう家柄は問題ないと思うけど」
ハッキリ言うなあ、と苦笑い。
「その通りよね。
歌織のことは好きみたいだけど。
歌織が悩んでるのは、結局、付き合いたくても自信がないんじゃないの?」
美輝の言葉にちょっと考えて言った。


