奏でるものは~第2部~



恥ずかしいより、嬉しくて、でも、顔は見られない。

大好きな優さんの匂いがする、首筋に顔を寄せた。

優さんの手が背中をさする。

何も言わず、私の肩に手をかけ、ちょっと起こすと、またキスをする。

優さんとのキスは、初めての大人のキスは、好きな人に触れる悦びを教えてくれた。


深く触れ合う。

もっと……


心地よい快感が身体に刻まれる。
そして、自分だけのものにしたくなる。


こんな独占欲があるなんて、知らなかった。


甘いキスは、終わると身体の奥の何かを疼かせる。

どうすればいいか、分からないまま、優さんに抱きしめられていた。



「歌織、時間」

はっと現実に戻る。

「行かなきゃ」

「送るよ」


おでこにキスをされて立ち上がる。
やっと、優さんの顔を見て、照れ笑いを浮かべる。

洗面所を借りて、髪の毛を整えてリップを薄く塗る。

洗面所から戻ると、その間に白のTシャツの上に黒の半袖のパーカーをきた優さんがいた。

荷物をもって部屋を後にした。