「ね、私の苗字知ってる?」
「…ん?熊野、じゃねーの?」
やっぱり春菜あたりから聞いたんだろう。
熊野は高校からの通称である。
「じゃあね、優さんの苗字、教えて」
「……え?知らなかった?マジで?」
驚いた様子の優さん
「うん、優さんってしか知らない」
「はぁ~。なんかビックリするなあ。
俺は、如月優人(キサラギユウト)。
今更自己紹介かよ?」
大笑いを始めた。
「俺に名前聞くの怖かった?」
私のおでこをチョンとつついて言った。
実際、私の本名を言ってないから聞きにくい、とも言えず、笑ってごまかした。
「なんか、聞きそびれただけ」
腕を引っ張られ立ち上がるとソファに座る優さんに抱きしめられて優さんの足に座る体勢になった。
「なんでも聞いてくれていいから。
隠すことはないし。
他の人に聞いたことでも不安になったら言えよ。
何を聞いても、絶対に俺を信じてほしい」
何のことを言ってるのかよく分からなかったが、頷いて答えた。


