奏でるものは~第2部~



放課後。


「私、自転車だよ?
校門出たら、後ろ乗る?」


ニヤッとして聞くと、


「うん!」


二人でニヤッとした。


同じクラスの高野君と立花君が近づいて来てたみたいだけど、春菜はサッと教室から出てしまったので追いかけた。


自転車を押して校門を出て、回りに先生がいないことを確認して、


「乗るよ!」


と二人のりで電動自転車を漕ぎ出した。


「はや~い、楽しい~!」


ご機嫌な春菜と笑いながら目的のコンビニについた。



ん?



高野君と立花君が、焦った顔で寄ってきた。


「お前ら~焦るじゃん!」

と高野君。


その横で電話している立花君。


「あ、今来ました。

……自転車みたいです。

……はい」


立花くんが電話を切って、


「まじかぁ~」


としゃがみこんだ。


「ま、コンビニに入って、春菜は着替えて来て」


と高野君に背中を押され、私までコンビニに入った。
春菜は、はいはい、とトイレに行ってしまう。
コンビニで着替え?


「歌織ちゃん、春菜の彼氏知ってるの?」


高野君の言葉に首を横に振る。