帰宅後、しばらくすると、新しい仏壇が届いた。
設置してもらい、お坊さんにもう一度来てもらって、お経をあげてもらう。
お坊さんが帰ったあと、喪服のネクタイを外した兄が笑いながら
「1日に3回もお経聞くことになるとはね、一向に覚えないけど」
と笑いながらお茶を飲んでいる。
「新しい仏壇、綺麗だね」
「父さんが次男坊だから、本家とは違う墓と仏壇になるんだな。
俺も入るんだよなあの墓に」
「そっか、分家長男だもんね
なんか、偉い人みたい」
「分家長男なんて何の肩書きにならねぇって」
と笑っていると
「着替えて来なさい、二人とも」
母の声に
「「はいはい」」
と返事をして、着替えに行った。


