打ち上げ花火を見ながら、去年と今年の違いを感じていた。



あ、いたいた

と昌さんと功さんと高野君が来て私達の回りに座る。

昌さんが


「みてよ、火傷した。高野のせいだよ」


と大袈裟に腕を見せてくるが暗くてよく見えない。


「昌さんが走るからですよ」


と高野君。


「走り回ってたのか?
ちょっと落ち着けよ」


と呆れた様子の功さん。


「自分で治せ」


と優さんが言うと



「誰か心配しろよ、つめてぇな」

と、めげてない様子の昌さんにみんな笑う。

しばらく喋って、携帯を確認すると、8時半。



「私そろそろ帰ろうかな」


「え~っと、おくろ……」
「送る」


と優さんが、高野君が言いかけた時に言葉をかぶせて立ち上がった。


功さんが、私をみて笑顔で、行きな、と無言で促した。


「じゃあ、また。
今日はありがとう」

「じゃあな」
「バイバイ」


と挨拶をして優さんを追いかけた。

堤防の階段になったところで待っていてくれた優さんがいた。


「ごめんなさい、迎えも送りもしてくれて、ありがとう」


いや


と小さく呟いて、先に堤防を登り始める優さんに続く。

公園の入口に迎えに来てくれたワゴン車があった。

ドアを開けて優さんが、乗れ、と呟いたので、先にのり続いて優さんが乗る。


「すみません、お願いします」


と運転席の人に声をかけると


「はいはい」


と明るい返事。
ドアが閉まり、発進した。