「すごい量の花火じゃない?」
びっくりして周りをみて言うと、
「ほんとに」
とあきれ顔の春菜と目が合う。
お互いに笑い出した。
「あっという間に終わるよ」
と龍くん。
みんな好きなんだ
と思っていると
「花火は儚いからね」
という昌さんがわざとらしい真顔で言うので、思わず吹き出した。
「意外に詩人ですね」
と言うと、意外にってどういうこと?
と言いながら、花火の方に行き花火を始めている人達の中に入っていった。
春菜も龍くんと一緒に離れていき、同時に優さんが側にきた。
「するだろ?花火」
と手持ち花火を見せてきた。
「うん」
優さんと一緒に移動する。
手持ち花火を持ち春菜に火を分けてもらうと、手に持っている、吹き出すような火花が出る花火を見ていた。
シュッと花火が消えた。
バケツに終わった花火を突き刺すように入れる。
ほら
と優さんが花火をくれる。
ごく普通に受け取り、優さんから火を分けてもらう。
さっきとは違うパチパチと出る花火だった。


