帰る用意をして、ソファに座っている優さんから少し離れてところに立ち
「しばらく、会わない」
ポツリと言った。
「……分かった。
でも、お前をずっと想ってる。
親を説得したら、会いに行くから
歌織、好きだ」
「優さんて……如月コーポレーションでしょ?」
「知ってたのか?」
「如月って名前と青蘭なら、そうかなって思ってた」
それなら、優さんを求める女の人が、その後ろにいる会社関係が、理解できる。
「送るよ」
「いい、タクシー拾うから。
じゃあね」
一人で帰りたかった。
マンションを出てすぐ、運良くタクシーを捕まえた。
私の家のことを言ったら、もっと上手くいのかな?
でも、家を見てほしくない。
それから、優さんに連絡はしなかった。
優さんからもない。
放課後コンビニに行っても優さんがいないことが多かった。
春菜には言ってあるが、他のメンバーも聞いてるのだろう。
誰も何も言わない。


