あまり眠れなかった日曜日の朝。

「友達と会ってきます」

「いってらっしゃい」

にこやかに母に送り出され、昨日と同じ繁華街で待ち合わせる。


二人でいるのに、いつもより楽しめない自分がいる。

優さんと会っているのに、いつもの笑顔ができているか、わからない。

それでも、何となく手を繋ぐ。
昨日の女の人みたいに怒られない。

―――良かった

安心する手の厚み。

ゆっくり、息を吐く。

繁華街の大通りから曲がって、カフェに向かおうと人通りが少ない、いや、夜は賑やかなのであろう、道を歩いていた。


しばらく歩くと、優さんが立ち止まる。




顔をあげたとたん、頬を叩かれた。
熱く痛くなる顔。