奏でるものは~第2部~



気付くと夕方。
シャワーを借りて、用意をして、家を出る。

私の家の方向とは違う方に行っている優さんのバイク。

着いたのは、バーベキューの後、告白された海の近くの公園。

手を繋いで歩き、海に沈む夕陽をみた。

暑さはまだ厳しいが、空が高く、夏も終わりを感じさせる。

「何かあった?」

思わず見上げた。
優さんの顔は前を向いている。

「俺は、いつでもお前の味方だから。
忙しいなら俺の事は放っておいても構わない。
いつか、同じ方向をみて歩きたいから、極めることが今はあるんだろ?」

私のことは、何も言ってない。
でも、何か気付いているのかもしれない。