奏でるものは~第2部~


二人で会いたい

日曜日の午後2時に待ち合わせをした。

バイクに乗せてもらい優さんの家に行くと、私から抱きついた。

許嫁がいる。

それを聞いてからの不安定な気持ちを少しでも安心に変えたかった。

「歌織?」

ただ、抱きつく私を呼ぶ声。

「何かあった?」

言えるわけがなく、ただただすがりついた。

優しくされると、もっと、とすがる。
優さんの愛情を自信に変えて、飲み込まれる波に身体をゆだねた。

眠りから覚めると、優しく見つめる目があった。

「好きよ」

言葉にしてみた。

とたんに、目を開いて、ちょっと紅くなる優さん。

「…急に、何を」

私を抱き締めると、顔を伏せた優さん。
ちょっと焦った優さんなんて、普段見ることがないので、嬉しくなる。

「……ん?」

激しいキスに応えきれない。
そのままもう一度抱かれた。
熱く激しく、愛されてると身体で感じた。

アイシテル

頭が混乱した中で聞こえた言葉に、のぼりつめた。