荷物を持ち、用意していると、水を飲んだ優さんが立ち上がり、そばに来て、優しく抱き締められた。 「俺は歌織が好きだから。 我が儘でも、なんでも、言ってくれないと、分からない。 いつも、どんなときも、好きだから。 覚えとけよ。」 頷いて、抱き締め返す。 離れたくない。 誰とも違う、言い様のない、優さんへの気持ちを考えた。 「行こうか」 優しく言った優さん。 ―――大好きです 声にはならなかった。