夜も両親と私の誕生日を祝うため、満腹になるまでは食べられない。
「控えめで」
と言うと、近くのカフェに入り軽食をとった。
「帰ろう」
どこに?と思ったが、そのまま歩き出す優さんについていく。
見えた先には優さんのマンション。
帰るって優さんの家に、だったんだ。
駅から近いのは、千奈美の家の近くだから当然か。
家に入ると、前に置いてあった洋菓子店の焼き菓子をだしてくれる。
「好きなんだろ?ケーキは多分家で食べるんだろうから、こっちにした。
紅茶でいいか?」
こちらを見ないで言った優さんの表情は見えないが、考えてくれたことを嬉しく思う。
しかも、紅茶を淹れてくれる。
「ありがとう」
素直に嬉しくて、笑顔で言える。
「インスタントだけどな」
私のために考えて選んでくれたことがうれしい。
紅茶を飲みながら、お菓子を食べる。
優さんも私と同じキレイなティーカップで紅茶を飲んでいるが、ちょっと意外でおもしろい。


