奏でるものは~第2部~



「ピンキーリングならつけやすいだろ?」

「でも、習い事の関係で毎日はつけられないの」

「じゃ、チェーンも買って、リング通しておけばいい、とりあえず指輪選べよ」

こう言われればもう選んでしまう方がいい。
こうしている間にも店員が指輪と色んな長さのチェーンも出している。

シンプルで細いシルバーリングに薄いグリーンの小さな石が埋め込まれている。

「じゃ、これにしようかな?」

「それでいいのか?」

「うん、気に入ったし」

優さんが買ってくれる。
きっと誕生日プレゼントのつもりなんだろう。
値段は5000円
買ってくれるのなら、お返しはクリスマスと次の優さんの誕生日でするしかない。

箱にいれてもらい、小さな紙袋にいれてもらう。

優さんが受け取り、店を出た。

「11時か。ちょっと早いけど昼飯に行こう」