奏でるものは~第2部~



そう思いながら、優さんにもたれかかった。

―――やっぱり心地好いな

しばらく、最近のことをお互いしゃべりながら、キスをしたり、言葉もなく微睡んでいたり、一緒にいることが、ただそれだけで居心地の良さを感じていた。


「久しぶりに溜まり場いかね?」

「うん。春菜もいるかな?」

チラリと時計を見て、笑いながら、

「あいつら、マジで勉強会やってるよ。
結構うるさいし。
そろそろ終わる時間なんじゃねーの?」

「ハハハ…マジでやってたんだ。
終わる時間なら、そろそろ行く?」

ごみを捨てて、用意する。

「3日、予定大丈夫か?」

「大丈夫。遊んでくれるの?」

フッと笑って頭をポンとして、行くぞ、と玄関に向かった。

溜まり場に着くと、春菜からは勉強会の愚痴を、他のみんなからは春菜の愚痴を聞き、それが夏休みの素敵な思い出だね、と笑って楽しく過ごした。

優さんは溜まり場では、あまり喋らないが、誰も気にしていない。

私は、春菜と雑誌を見たり喋って過ごした。