奏でるものは~第2部~


週末の土曜日。

朝から千奈美と美輝が来るための準備をした。
泊まるのは久しぶりで、誰かが泊まる時に使う和室に布団を3組出しておき、花を飾りお菓子やポット、飲み物も用意する。

約束の3時に二人が揃ってやって来た。

リビングでお茶を出すと、隣の和室に仏壇を見つけて、唯歌さんの?と呟いた美輝。


「良かったらお線香あげてもいい?」


頷くと二人の先に立ち、仏壇の内部の電気をつけ、ろうそくに火を灯す。

美輝と千奈美が順に線香を立てて手を合わせる。
2人とも小さいときから知っていた唯歌を、思ってくれている。

和室にお茶を運び、座布団に座った。

「寂しくなったよね?」

千奈美の言葉に曖昧に笑う。

「おみやげありがとう」

二人が持ってきてくれたクッキーの詰め合わせを、仏壇に供える。

「熨斗つけてもらえば良かった」

美輝が思い出したように言う。

「いいの。おいしい物は、とりあえず供えることにしてるの。
でも、食べたいから開けていい?」

「もう?」

と驚かれながらも結局3人で食べ始めた。