奏でるものは~第2部~




ゆっくりとバイクを発進させて私の立っているところまで来て、バイクを停める。


「歌織?」

「何してるの?」

先に聞いた。

「溜まり場に行く。お前…」

「こんなとこで会うと思わなかった。
ばれちゃった?」

「着物って珍しいと思ったら…
なにしてんだ?」

「習い事。今から帰るとこ。
こんな近くに優さんの家があったのね?」

「そうだな。
なんか、着物って、ちょっと…」

「フフ…似合う?」

短い袖を振る。

「あ、まぁ。いつもと感じが違うけど、着なれてる?」

「そうかな?暑いからもう行くよ。
バイク、気を付けてね」

「あぁ。さすがに送ってやれねぇな。
また連絡しろよ?
じゃあな」

うん、と手を振り発進するバイクを見送った。