「今年もあと少しで終わりね」

椅子に寄りかかりながら、哨がポツリと呟いた。

ベッドに座って本を読んでいたハロスは顔を上げず、ページをめくりながら問う。

「そうだな。…来年の抱負は?」

「安全に、平和に過ごす」

食い気味に答えた哨に苦笑し、ハロスは本を閉じた。

「素朴だな」

「その素朴な願いが叶うといいんだけどね」

「さて、どうなるかな」

「…ハロスは?
来年の抱負は何?」

「あんたをいじって過ごす、だな」

「…馬鹿」