聞いてしまった以上なかったことにはできない性分は、こんなとき厄介だ。 暗い暗い闇を、探り探りで歩いていく。声は当然のように近くなって、気づかれないようにひっそりと歩いた。 「ってよ……」 次第に、泣き声何か言葉が混ざっていることに気づく。