お祖母様なら、どんな手を使ってでも長男と婚約させると思っていた。 「那月家の長男よりも次男の方が全てにおいて上なのです。 そして、先日那月家の後を継ぐのも次男となりました。」 …なるほど。それなら納得だ。 お祖母様がわたしに用意した婚約者が次男なのも。 この世間で長男の話を聞かないのも。 長男は、弟に座をとられ悔しくはないのだろうか。 「要件は以上ですので、部屋に戻り勉強に取り組みなさい。」 「…はい。」