少しだけ。


渚くん話してくれてたんだ。


そうだよね。


じゃなきゃ、

渚くんのお母さんが

私のこと知らないはずだもん。


「母さんたちには心配させたくなかったから

言ってなかったみたいだけど、

今まで出来てなかったこと?

遊園地とか食べ歩きとか。

すごく楽しいって。俺に話してくれた」


それ以上は言わないで。


私が渚くんの力になれてたって誤解する。


自分のこと許しちゃいそうで、怖い。


「入院した時もさ、

退院したら真ちゃんと次はどこ行こうかなって。

いつもなら外に出たくない

とか言ってたのにさ。

極めつけは渚の最後の言葉。

なんだと思う?」


「さぁ」


「渚さ…」


私の目から自然と涙が零れ落ちた。