無言でじとーっとひなのちゃんの顔を見ていたら、頭上からムカつくくらい愛しい声が降って来た。 「実楽、ちょっといい?」 びくっ。 固まるあたし。 「そんなに警戒しなくても大丈夫だよ」 そう言って、あたしの頭をぽんぽんしてくる湊。 「な、なななななな、何?」 「…ぷっ。実楽、顔真っ赤」 「う、うっさいなーもー!」 一瞬、良かった、元に戻れた。 そう、思ったのに。