「やっぱり、来てくれた……」
みんなは今まで見たことないくらい怖い顔をして蛇王のやつらを睨みつけている。
「俺たちの大事な人に手を出して、ただで済むと思わないで」
「倍にして返します」
「ぜってぇ許さねぇ」
「ボッコボコにしてやる」
琉依くんたちが蛇王に殴りかかる。
その隙にてったがあたしに駆け寄ってきた。
あたしの格好が悲惨だったのだろう。
あたしを目の前にしたてったは顔を歪めた。
そりゃそうだよね。
だって今あたし、ブラウスははだけて胸元見えちゃってるし、頬は涙で濡れてるし。
言葉を失ったてったはあたしの背後に回り、縛られていた手を解いてくれた。
「……遅くなって悪ぃ」
「ん、んーん」
後ろから申し訳なさそうな声が聞こえて、あたしも胸が苦しくなった。
てったのせいなんかじゃない。
だけど今のあたしは、ショックなことが起こってなかなか声が出てくれなかった。
