*Only Princess*





『おい、菜生今どこいるんだ? 授業とっくに始まってんぞ』



てった……っ。


大好きな声が聞こえてきて、もっとあたしの涙が溢れてきた。


でも、てったの声だけではなかった。



『菜生? 何かあったの?』


『体調でも悪いんですか?』


『サボりとかやめてよねー』


『家まで見舞いに行こーかなっ』



琉依くん、航平くん、司くん、真幸くん……

次々に聞こえる白鷹のみんなの声。



『学校にも連絡入ってねぇっていうし、森山も聞いてねぇっていうし、みんな心配してるぞ』



え……みんな心配してくれてたの?


白鷹のみんなも?


ううん、聞かないでもわかる。


さっき聞こえてきたみんなの声を聞いただけで、そんなことわかる。


なんでだろう。

それだけ嬉しいよ。