*Only Princess*





「……これはどゆこと? てか、あんたたち誰?」



怖がっている自分を隠すために、強がってみせた。




「俺たちは────蛇王(だおう)だ」



蛇王。

それは白鷹と敵対する暴走族。


暴走族になんて興味なかったけど、学校いると嫌でも耳に入ってくるんだ。


てことはここは蛇王の倉庫ってわけか。


なんでこんな薄気味悪いとこなのよ。


そんなことより……蛇王はなんであたしを誘拐したの?


あたし、なんの心当たりもないんだけど。



「暴走族が……蛇王があたしに何の用?」


「そんなの決まってんだろ。白鷹のやつらをおびき寄せるためだ」


「っ……白鷹を?」



まさかのワードに動揺するあたし。



「ああ。お前、最近よくあいつらといるらしいからな。お前らの学校にいる蛇王の下っ端から聞いたんだよ」



確かに最近何度も話しているし、それを見られていたのなら納得がいく。


だけど冷静になって思った。


白鷹のみんなをおびき寄せるためって、あたしは白鷹とは無関係な人間だよ?


ただ、白鷹のメンバーの1人、てったと幼馴染みなだけ。


そんな関係のあたしたちなんだから、きっとみんなは来ない。