*Only Princess*





いつもの定位置、テーブルを前にベッドに寄りかかる。


美紗のお母さんがお茶とクッキーを出してくれて、そのお茶に口をつけた。


落ち着かせるようにふぅ、と息を吐いた。




「……それで? なんか話があるんでしょ? 何があったの?」



やっぱり美紗はわかってくれてただね。


あたしはお茶に写る自分を見つめながら話し始めた。



「……なんか、自分のことがわかんなくなって」


「自分のことが?」


「うん。あたし、暴走族が嫌いって言ってきたじゃん? それなのにいつの間にか白鷹のみんなと話しちゃってるし」


「確かに、最近よく話してるよね」


「そうなの。てったを抜けさせようって決めてたのに」



お茶に写った自分の顔は、困ったような迷ってるような、変な顔をしている。


本当に自分のことがわかんない。


あたしはみんなのことが嫌いなんじゃないの……?