*Only Princess*





「突然すいません。美紗、いますか?」


「ええ、いるわよ。美紗ー! 菜生ちゃんが来てくれたわよ!」


「えっ、菜生!?」



バタバタと駆けてくる音が聞こえたと思ったら、驚きの表情の美紗が出てきた。


でもあたしの顔を見て何かを察したのか。



「とりあえず私の部屋で話そ。さ、入って入って」



そう言ってくれた。


お邪魔します…と小さく呟き、美紗の家に入った。


2階の美紗の部屋に向かう。


見慣れた女の子らしくて可愛い部屋が待っていた。



「あーりゃりゃ。菜生が来るって思ってなかったから、部屋散らかってるよ、あはは」


「あはは……突然ごめんね」


「んーん。気にしないで」



申し訳ない気持ちはあるけど、やっぱり頼れるのは美紗しかいないんだよね。