*Only Princess*





「ちっさい頃から、ずっと好きだよ。転校したときはもう会えないと思って諦めてたけど……また、会えた。
ずっと、菜生だけを想ってた」


「てった……」



嬉しい。

嬉しすぎて涙が出てくるよ。


もうっ……昨日から泣きっぱなしで、涙腺崩壊しちゃってるよ。



気持ちが詰まって、何を言えばいいのかわからない。


……ううん、あたしの気持ちをそのままに言えばいいんだよね。



手を伸ばして、あたしはてったに勢いよく抱きついた。




「……好きっ。あたしもずっとずっと、大好きだよ」




溢れる想い。

もう止められない。



てったはそんなあたしの頭を撫で、抱き締め返してくれた。


やがて体が離れ、再び目が合う。


自然と顔が近づいたとき……。




「ま、真幸さんっ。そんな押さないでください……!」


「えー、だって前で見てぇじゃん」


「ほらほら、いいところなんだから静かに」


「そうっすよぉー。ああほら、だんだん顔が近づいて……」




……この声は。

振り向くまでもなく、やつらの声。