それを手に取ったてったは、あたしの頭に飾りつけた。
「白いバラに中心が薄くピンクに染まってる品種、”初恋”って言うらしいんだ」
「はつ、こい……?」
なにそれ、なんでそんな品種の髪飾り、あたしに渡すの?
……ドキドキしちゃうじゃん。
「俺の初恋は、菜生だよ」
その言葉に、あたしは勢いよく顔を上げる。
憂いを帯びた目、赤く染まった耳。
生まれた2人だけの世界。
「……好きだ」
ストレートすぎる言葉に、あたしは驚かずにはいられなかった。
脳内に響き、全身が痺れる思いをした。
てったがあたしを好きって、本当……?
恋愛的な意味で?
不安な疑問が浮かんできたけど、そんなのはてったの顔を見ればすぐにわかった。
真剣だけど、どこか照れくさそうな表情。
でもまっすぐにあたしだけを見つめてくれている。
これは本気、なんだ。
