*Only Princess*






「えいっ‼」



てったの手を握り、立ち上がる……ように見せかけて、掛け声と共にぐいっと引いた。



「うわっ……」



ドサッと倒れ込むあたしたち。



「菜生……何してんだよ」



呆れた声が、すぐ耳元で聞こえた。


白い世界の中で、至近距離で目が合う。


自分でやったことなのに、照れくさくなって顔に熱が集まる。




「ご、ごめんごめん。すぐどくから……」



慌てて目を逸らして、立ち上がろうとした。


でもその動きは、てったによって止められた。


お互い、座った状態で向き合う。



どうしたんだろう?


そう思ったとき、てったはコートのポケットからリボンで結ばれた箱を取り出した。


そしてあたしに差し出される。




「……これ、クリスマスプレゼント」


「えっ」



てったが、あたしに……?




「……開けてもいい?」


「ああ」



承諾を得て、あたしはリボンを解いて箱を開けた。


するとそこにあったのは、バラの髪飾りだった。


中心が薄くピンクに染まった、白いバラ。


とても可愛らしくて、綺麗なものだった。