*Only Princess*





「やあ、菜生」


「ど、どーも」



いや、琉依くん。

爽やかに挨拶してるけどさ、格好をよく考えてよ。


2人ともメイド服なんだよ?

ほら、航平くん顔色悪いし。



「……琉依。一刻も早く着替えたいのですが、」


「いいじゃないか、少しくらい」



航平くん、可哀想。

さすがに同情するよ。


結構琉依くんって振り回すタイプなんだね。



「この格好、どうかな?」


「う、ん……似合ってるよ、2人とも」


「やった。ありがとう」


「その言葉は嬉しくないです」


「あははっ。似合ってるし、可愛い!」



思わず笑ってしまったけど、本当に似合ってる。