*Only Princess*





「よっこらせ。うん、このくらいでいいかな」



大量のダンボールを担ぎ、あたしは昇降口を離れた。


重くはないんだけど……

大きすぎて前が見にくい。


あたしの教室、4階だし。

落とさずに行けるかな?



3階まで来たとき、"きゃーっ"と女子の黄色い悲鳴が聞こえてきた。


え、なになに?


あたしは気になって悲鳴が聞こえてくる教室を覗き込んだ。



「あ、」



女子に囲まれていたのは、琉依くんと航平くん。


2人はメイド服に着替えている。


琉依くんはニコニコしてて楽しそうだけど、航平くんは本気で嫌がっている。


するとあたしに気づいた琉依くんが航平くんの手を引き、こっちに向かってきた。