本心が見透かされている気がする。
どうしよう。
このままいくと後戻りはできないよ……。
「菜生が抜けた白鷹は、心に穴が空いたみたいに抜け殻だったよ。それほどまでに、お前の存在は大きくなってたんだな」
苦しい。
これ以上、聞きたくないよ。
「ねえ……なんで俺たちが菜生を白鷹に誘ったかわかる?」
琉依の声だ。
あたしに質問しているようで、これは話しかけているんだ。
そういえば、あたしを白鷹に誘っていた理由。
それは知らないままだ。
「俺たちはね、前からてったに菜生の話を聞いていたんだよ」
「え……」
あ、でもそのことは聞いたことがあるような気も……。
「少し意地っ張りだけど真っ直ぐで、てったをいつも助けていた。てったは菜生のこと、”かけがえのない存在”って言っていたんだ。
だから俺たちも菜生に惹かれた。関わりは少なくても、”いい人”というのがわかっていたから」
そう、だったんだ……。
